日用品でラジオを作ろう「傘ラジオ」

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傘ラジオ

ラジオ作りというと半田付けをしなければなりませんが、傘ラジオの場合はその必要がありません。アルミホイルを巻きつけたり、電線をセロテープでとめたり、洗濯ばさみではさんだり。電子部品を使うにしてもみのむしクリップではさむだけ。ですから、作るだけなら小学校の低学年でもできます。

傘ラジオは、もともとはできるだけ日用品でラジオを作ろうということで、始めたものです。電線を使わずにアルミホイルから切り出したアルミテープを使う方法や、クリスタルイヤホンをメロディカードを分解して自分で作る方法もあります。これらは、ちょっと難しくなるのと、工作に時間がかかり根気がいるので、中学生以上向けと言えます。



2013年度版傘ラジオ製作テキスト

国立科学博物館の2013夏休みサイエンススクエア向けに作成したテキストです。

今回はPDFファイルのみの提供です。個人での利用はフリーとします。教育やイベント等での使用はご一報ください。理科振興の一環と思っていますので、基本的に"No"と言う事はありません。単に把握しておきたいというだけのことですので、よろしくお願いいたします。

2013年度版傘ラジオ製作テキストのダウンロード⇒ ksrd2013.pdf(1.60MB)

このテキストは白黒(グレースケール)のつもりですが、ところどころカラーのままの図が残っていたりします。印刷する場合は気にせず白黒でどうぞ。


[参考] 2012年度版傘ラジオ製作テキストのダウンロード⇒ ksrd2012.pdf(1.47MB)



傘ラジオが聞こえないのは(夏休み宿題対策)

二つ原因が考えられます。

  • 電波が弱い
  • 正しく作れてない

傘ラジオは無電源ラジオなので電波が弱いと聞こえません。近くにAMラジオの送信所があるかどうか調べましょう。

送信所の場所は放送局(スタジオのある所)とは異なります。高いアンテナとそれを支える支線そしてアースが必要ですから広い敷地が必要です。 このため街のはずれにあることが多いのです。 送信所の所在地は「中波 送信所 鉄塔」というキーワードでググってみてください。

送信所からの距離がわかっても十分ではありません。送信所から何キロワット[kW]で電波が出ているか、ラジオの周波数は何キロヘルツ[kHz]か、 そして地形なども関係してきます。AMラジオの最も弱い送信電力は100ワットです。 このとき周波数1000キロヘルツくらいですと送信所から1.5kmくらいまでしか聞こえません。 2kmでもわずかに聞こえることがあります。逆に電波の強い送信電力500キロワットの例もあげておきます。 周波数が700キロヘルツくらいのとき送信所から70kmくらい離れても聞こえます。80km離れたところで聞こえた経験もあります。 詳しいことは、遠慮なくご相談ください。


傘ラジオが正しく作れてないとはどういうことでしょうか。 「電線の長さが違う、ダイオードがゲルマニウムではない、普通のイヤホンを使った」ということはありませんか。

部品が間違っていないのなら結線ミスかホイルペーパでのショートが大半です。 この図の通りつないであるかよく確かめてください。

この図この図 の作業過程でホイルペーパのアルミと傘の軸がショートすることがあります。それがないか確認してください。


電波も強いし作り方も間違っていない、それなのに聞こえなければ是非Eメールでご相談ください。


両面テープで電線をとめる(クリックで拡大)

いろいろな電線のとめ方 ←クリック

傘ラジオテキストに書いた方法以外にも、いろいろな方法で電線を固定することができます。



軸が黒いジャンプ傘を使う場合 ←クリック

最近のビニール傘は金属部分に黒いコーティングが施されているものが増えてきました。また、ジャンプ傘であることも多いので、その場合の製作法を説明しています。


傘ラジオの同調範囲を広げる

お住まいの地域の中波放送(AMラジオ)の周波数が1000kHz以上のときは、傘バリコンの作り方に少し手を加えなければいけません。作ったのに聞こえないときは、この方法を試してみてください。



目隠しをして傘ラジオを作る

目隠しをして傘ラジオ製作

目隠しをしても傘ラジオを作ることができるのか?半田付けがないので頑張ればできるかも。ということで目隠しをして傘ラジオを作ってみました。

実は、同僚の先生から盲学校の皆さんに傘ラジオ作りを教えられないかという相談があったので、やってみたのです。はたして結果は?→できるんです。本当に。嘘だと思う方は次の動画像を見てください。

製作中はビデオカメラを止めずに撮影し、早回しになるように編集しています。ただ残念なことに、焦点調節が手動になっていることに気がつかずに回してますので、アップの画像がピンぼけになってしまいました。それに加え、ファイルサイズを小さくするため画像がかなり粗くなっています。ご容赦ください。

製作部分は約10分です。その他、動作確認や、電界強度測定の様子を入れています。電界強度測定は電気に詳しい人向けに撮ったものなので飛ばして頂いて構いません。

最初に編集したものは音楽を入れて作ったのですが、著作権の問題があるので削除しました。最初と最後に私の声が入る以外は無音の動画になっています。そのうち、著作権フリーの音楽を探して、編集し直したいと思います。


傘ラジオは日用品で作るラジオということで、「非常時に役立つかも知れない」と説明することがあります。とはいえ、材料が非常時に集まるかとか、夜に被災して真っ暗だったらどうなんだろう、という疑問がありました。このうち、「停電して真っ暗」については、作れることが実証できたと考えています



2010年度版傘ラジオ製作テキスト ←クリック

国立科学博物館の2010夏休みサイエンススクエアで使用したテキストです。

PDFファイルも提供します。印刷時はオリジナルより解像度が落ちますので、イベント等でのテキストとしての利用はフリーとします。つまり事前にご連絡していただく必要はありません。その代わりといっては何ですが、イベントがうまくいった暁には、是非ご一報ください。どちらの地区でどの程度聞こえたかという情報を集め公開していきたいと考えています。何卒ご協力お願いいたします。

2010年度版傘ラジオ製作テキストのダウンロード⇒ ksrd2010.pdf(2.35MB)

この冊子は小学生や中学生に配布してきましたが、これまでの経験からこのテキストを読むのは保護者の皆様のようなのです。とりわけ、お父様が多いようです。ご自身が幼少の頃にゲルマラジオなどを作った経験を持つお父様であったり、お知り合いにラジオに詳しい方がいてアドバイスをもらっているというケースが多いようです。そこで、近年は少し難しい内容も盛り込んでいます。



2007年度版傘ラジオ製作テキスト ←クリック

国立科学博物館の2007夏休みサイエンススクエアで使用したテキストに若干の修正を加えたものです。

印刷用に画像ファイル(GIF)を提供します。オリジナルより解像度が落ちていますので、イベント等でのテキストとしての利用はフリーとします。つまり事前にご連絡していただく必要はありません。その代わりといっては何ですが、イベントがうまくいった暁には、是非ご一報ください。

2007年度版傘ラジオ製作テキストのダウンロード⇒ ksrd2007.zip(1.72MB)

(GIFイメージ46枚をzipにまとめてあります)