傘ラジオの同調範囲を広げる

ホイルペーパを用いた傘ラジオの改良

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ホイルペーパを用いた傘ラジオは、バリコンの最小容量がやや大きめに留まるため、ポリ袋とアルミホイルを組み合わせた旧型の傘バリコンより同調範囲が狭くなってしまいます。お住まいの地域の中波放送(AMラジオ)の周波数が1000kHz以上のときは、傘バリコンの作り方に少し手を加えなければいけません。いくつかの改善方法がありますが、ここでは変更が少ない簡単な方法を紹介します。作ったのに聞こえないときは、この方法を試してみてください。

同調範囲改良の概要(クリックで拡大)

概要(クリックで拡大)

2007年度版傘ラジオ製作テキストのページ10にもその方法を記しています。ここで紹介するのはそれを更に改善したものです。

といっても難しいことをするわけではなく、ホイルペーパーの形を変えるだけです。

材料の準備、寸法(クリックで拡大)

ここに示すように、ホイルペーパーの巻き始めを細くします。傘バリコンの最小容量は、下の洗濯ばさみを回してホイルペーパの巻き付けを緩めたときの静電容量です。ところがホイルペーパーをいくら緩めても、巻き始め部分が電線と上の洗濯ばさみで固定されているために、緩まない箇所がどうしても残ってしまうのです。この緩まない箇所の面積を減らすために、ホイルペーパーの巻き始め部分を細くします。

巻き始め部分(クリックで拡大) 巻き終り部分(クリックで拡大)

ホイルペーパの巻き始め部分と巻き終り部分(クリックで拡大)

実際にはこのような感じになります。

巻き始めのところは、下のクラフトペーパーが見えるくらい隙間を空けて巻きます。

巻き終りの部分は今までと同じで構いません。写真では、洗濯ばさみを挟む部分が傷みやすいので、ホイルペーパーの余った部分を折り返して厚みを増やしています。

594kHz(クリックで拡大)

傘ラジオ用試験信号発生器を用いて、NHK第1の周波数594kHzに合わせたときの様子を示しています。(クリックで拡大)

954kHz(クリックで拡大)

TBSの周波数954kHzに合わせたときの様子を示しています。(クリックで拡大)

1422kHz(クリックで拡大)

RFラジオ日本の周波数1422kHzに合わせたときの様子を示しています。(クリックで拡大)

1422kHz(クリックで拡大)

最も緩めたときの様子を示しています。(クリックで拡大) 周波数は1700kHzくらいです。