軸が黒いジャンプ傘

傘の軸に黒いコーティングがあるジャンプ傘を使う場合

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最近、傘の軸に黒いコーティング(塗料による表面処理)が施されているものが出回るようになってきました。 これを傘ラジオに使うときは少し工夫が必要になります。

傘の軸に塗装が施されているのは高級な傘では普通のことですが、ビニール傘は金属むき出しが標準だと思っていました。2011年に受けた傘ラジオに関する質問メールの一つに黒い軸のビニール傘を使ったものがあり、この傘の存在を知りました。

先日(2015年8月)、近所のダイソーに行ってみたら、売られているビニール傘は全部軸が黒くなっていました。この時の品揃えがたまたまそうだっただけかもしれませんが、これから増えてくることが予想されます。

また、ジャンプ傘ではダメですかという質問もよく受けます。使わなくなったビニール傘のリサイクルとして傘ラジオを作るのであれば、ジャンプ傘である可能性の方が高いかも知れません。ダメということは無いので、この際、両方の工作法をお知らせしようと思った次第です。

軸が黒いジャンプ傘を使う場合の製作手順


黒い塗装はやすりなどを使って剥がす必要があります。と言っても、全部剥がす必要はなく一部でよいのです。剥がす位置は左の図を参考にしてください。

後はジャンプ傘に対する工作法となります。ジャンプ傘を用いる場合については、「旧傘ラジオホームページ」の「製作資料」⇒ 「電子工学科1年の授業「総合工学基礎T」における傘ラジオの資料(平成16年度版)(2004年9月) 」の17ページにも掲載していました。

但し、以前の資料にある電線の留め方だと電線を留める位置が傘の上すぎて、塗装を削り取るのが大変です。そこで左の図のように変更しました。ちなみにこの位置は、「中級編」⇒「100円ショップだけでラジオの部品を揃える」⇒「アルミテープによる傘ループアンテナ」で示した写真と同じ位置になっています。

ジャンプ傘は比較的大きい傘(60cm)であることが多いので、上述のような位置に電線の接続箇所を設定しても問題ありません。軸が短い場合は、ホイルペーパーを巻くための長さが確保できなくなるので注意が必要です。


アンテナの内側の電線とダイオードを接続してから、傘の軸に図のように留めます。軸の塗装をはがしたところにしっかり接触するようにしてください。

電線の固定には左の図のような、金属製の目玉クリップが適しています。電線を軸に押し付けるという意味では洗濯バサミでも構いませんが、目玉クリップであれば金属的な接触面積が増えるので、身近に入手できるならこちらを使ってください。

なお、アンテナの外側の電線とホイルペーパの接続箇所については、今までの作りと同じです。左の図には付箋紙が描かれていませんが、受信周波数が1000[kHz]以上の場合は付箋紙は必須です。


軸に黒いコーティングがなされている場合の工作法を示しました。実はこの塗料による被膜をうまく利用すれば、ホイルペーパではなく普通のアルミホイルが使えます。ただし、この被膜に用いられている塗料の材質や厚みがまちまちなので、こうすればよいという一つの方法を示すことはできません。被膜に傷がつきやすいものも多く、その場合はホイルペーパーにしておいた方が無難です。