千石電商のセラミックイヤホン新旧比較

インピーダンスも測ってみました

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傘ラジオの製作イベントでは、クリスタルイヤホンにみのむしクリップが付いたものを使用しています。幾分値段が高いのですが、電線を25mも巻きますと、子供たちもだんだん飽きてきて緊張が途切れてしまいますから、巻き終わった後は手早く完成に持って行きたいという理由で、これを用いるようになりました。

近年、秋葉原でも、みのむしクリップ付きクリスタルイヤホンを扱う店が減ってきまして、我々は千石電商さんをよく利用します。ここ数年、資材高騰のあおりを受けてなのか、単価が280円⇒370円⇒420円と上がってきました。このまま行くと、そのうち傘ラジオのイベント出来ないんじゃないかという勢いです。

ところがこの夏(2011年8月)、急に420円⇒330円と値下がりしました。しかも「クリスタルイヤホン」という言い方をやめて、本来の「セラミックイヤホン」という言い方に変わっています。なぜだろうと思い、サイエンススクエア初日(2011年8月16日)の帰りに千石電商に立ち寄って購入してきました。

ちょっと違うイヤホンになっていたのです。来年はこれを使うことになるので、翌日、サイエンススクエアで動作確認をし、更に2011年8月19日にインピーダンスも測定しました。以下にその結果を示します。

プリント布テープ(クリックで拡大)

左の写真の上が今までのセラミックイヤホン(420円)、下が新しいセラミックイヤホン(330円)です。ちょっと色が違いますね。

8月17日のサイエンススクエアで学生にみせたところ、「今までのは肌色だけど、今度のは体の具合が悪いときの肌色ですね」との感想が。なるほど、確かにそうですね、具合悪そう。性能まで悪くないといいんだけど。

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よく見ると今までのイヤホンは「JAPAN」と入っていましたが、今度のは「RECEIVER」「TAIWAN」となっています。

「JAPAN」となってても半信半疑でしたが、少なくとも新しいのは輸入モノで間違いなさそうです。

実際に傘ラジオに取り付けて聞いてみたところ、大きな違いは感じられませんでした。

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今度のセラミックイヤホンはリード線が長いのです。写真の右が今までのイヤホン。真中と左が新しいイヤホンです。左はみのむしクリップが付いていないもので、お値段は240円です。

今までのイヤホンはリード線が1mだったのですが、新しいものは1m20cmくらいあります。これは助かりますね。傘ラジオは作りが大きいので、もう少し長さがあるといいなと思っていたのです。

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インピーダンスを測って比較してみました。静電容量とコンダクタンスの並列回路として回路定数を調べました。以前のものは静電容量が17nFとなります。これは既に報告した結果と一致しています。但し、前の測定では静電容量と直列抵抗による等価回路で測っていますから、その点はご注意ください。等価回路の違いはありますが、周波数が低いところを比較する分には静電容量による項が支配的なので、厳密に直並列の計算をしなくても大きな差にはなりません。

新しいものは静電容量が20nFとなっていました。少しだけ大きくなっています。

測定データ(Excel)をご覧になりたい方はこちらをどうぞ。⇒ ksrd060206.zip(592kB)

コンダクタンス成分は、どちらも周波数に比例した増加が見られます。これはセラミクスの誘電損失によるものと考えられます。きれいな比例関係が出ているので誘電正接(tanδ)を求めてみると、どちらのイヤホンも低周波で約0.02となっていました。

以上の結果から新しいセラミックイヤホンは、回路的には、誘電損失を持つ静電容量 Cp=20(1-j0.02)[nF] と考えればよさそうです。虚部が周波数に比例するコンダクタンスに相当します。肝心の聞こえ具合ですが、2個だけしか試していませんが、違いがあるようには思えませんでした。今後、イベントなので沢山購入したときにバラツキなども確認しておきたいと思います。