メロディカードのセラミック振動子を取り出して傘ラジオのイヤホン代わりに使う


メロディカードに使われているセラミック発音体を使って傘ラジオ用のイヤホンを作ります。



100円ショップで見つけた耳あてと組み合わせて傘ラジオ用のヘッドホンも作りました。



傘ラジオに使うイヤホンは普通のイヤホンではダメですか? とよく聞かれます。
普通のイヤホンは電磁的な原理によるものですのでインピーダンスが低く、傘ラジオにつないでも全く聞こえません。このイヤホンは電流を流してやらないと聞こえないのですが、傘ラジオから得られる電流はとても小さいからです。
一方、クリスタルイヤホンは圧電現象を利用しており、普通のイヤホンとは原理が全く異なります。この場合は小さな電圧で比較的大きな音が取り出せます。感度は良いのですが、音質はお世辞にも良いとは言えません。そのせいか現在はこのタイプのイヤホンは使われていません。このため秋葉原などで購入するしか手がないのが難点です。
昔のクリスタルイヤホンは、ロッシェル塩の結晶を用いていたまさにクリスタルなイヤホンです。現在のものは、外形は変わらないのですが、中身はセラミックの圧電素子を用いています。つまり正確にはセラミックイヤホンなのです。
セラミックの発音体自体は身近なところによく使われています。最近、メロディの鳴る電報や、バースデイカード、クリスマスカードなどを目にすることが多くなりました。ここに使われているのがまさにセラミックの発音体です。
ここでは、100円ショップで入手したメロディカードからセラミック発音体を取り出してクリスタルイヤホン代わりにする方法を述べます。
100円ショップで売られている「メロディ・カード」です。


100円ショップに冬季限定で売られている「耳あて」です。


「メロディ・カード」を分解します。


中のモジュールを取り出し、セラミック発音体を切り離します。


コードを延長し、先端にはミノムシクリップを付けます。


片側が開放のままですと音が小さくなりますので、ペットボトルのキャップでふさぎます。


えんぴつキャップを切り出して接着すれば、イヤホンの出来上がりです。

傘ラジオにつないで聴いてみると、市販のイヤホンよりは少し音が小さいものの、十分実用性があることが確認できます。ケースに凝ればもっと良く聞こえるかも知れません。


もし、耳あてが入手できたならヘッドホンにしてみると楽しいです。
まず、耳あてを分解します。こんな構造になっています。


セラミック発音体をペットボトルキャップに取り付け、耳あての容器に固定します。
固定にはホットボンドを用いました。
また、左右のイヤホンの接続ですが、傘ラジオ用という事で直列接続のモノラルとしました。 直列接続にすると電圧が半々に分圧され音が小さくなるように思われますが、実際は問題ありません。これは、イヤホン側を見た静電容量が下がるため同調回路のQが向上することと、両耳が塞がれるので外の雑音が遮断されることの相乗効果であろうと推測されます。

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