1球真空管増幅器をつなぐ


1年生の授業では、傘ラジオにトランジスタ増幅器をつなぐ実験を行っていますが、歴史の順に従って真空管の増幅器を見せてからトランジスタ増幅器に移る様にできないかな、と常々考えていました。
真空管増幅器と言っても傘ラジオにつなぐものですから、あまり大げさなものでは困ります。そうしてみると、この増幅器、キーデバイスは真空管ではなく電池だと言うことがわかってきました。真空管の方はこのところちょっとしたブームなので(と言っても高級オーディオの分野ですが)、秋葉原に行けば入手できそうです。今回はコンパクトにまとめたかったのでサブミニ管(Sub-miniature Tube : SMT管)を使うことにしました。Raytheon の5678という球です。問題はB電源用の電池です。傘ラジオがベースですので外での聞き比べが前提です。ACコードをズルズル伸ばして実験するわけにはいきません。なんとしても電池でやりたいのです。
答えは意外なところにありました。この構想を温めている最中に、以前、秋月電子通商で購入した小型のデジタルテスターの電池が切れてしまいました。交換しようと電池を取り出してみると、ここに使われていた電池、大きさは単5程度なのに電圧は12[V]もあります。23Aと書かれています。これだ、と言うことで探してみると、ホームセンターや100円ショップの大型店にも置いてあることがわかりました。最近普及し始めたキーレスエントリーシステムなどに用いられているようです。
消耗品が身近なところで買えることがわかったので、早速作ることにしました。低学年の導入教育用という位置付けなので、ハンダは使わずにトランジスタ増幅器と同じ方式で組むことにしました。

出来上がりはこのようになります。(拡大できます)いわゆる真空管回路のイメージとは大きく異なりますが、これが傘ラジオ流ということでご勘弁願いたいと思います。


回路図はこのようになります。(拡大できます)「総合工学基礎T」における傘ラジオの資料ページ30に関連する説明があります。


作り方と言っても、そんな大それたものではありません。
次のPDFファイルをA4のラベル用紙に印刷して、段ボールやスチロールボード等に貼り付けます。これが台紙になります。
TrTbAmp.pdf
部品を集めます。次のPDFファイルの2ページ目を御参照ください。
TrTbAmpParts.pdf
台紙にキリで穴を空け、ビス・ナットを取り付けます。ビスに部品の線を巻き付けナットで締め付けます。ナットやワッシャの位置関係は左図(拡大できます)を参考にしてください。


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