2005夏休みサイエンススクエアで傘ラジオ作りを実施


国立科学博物館の2005夏休みサイエンススクエアに関東の国立高専5校が協力することになり、傘ラジオも新しいメニューの一つに加わりました。

傘ラジオの実施日時・場所・その他

日 時:平成17年8月23日(火)、24日(水)、27日(土)、28日(日)(計4日間)
      11:00〜、14:00〜(各回15名)
場 所:国立科学博物館 みどり館地下1階
参加費:入館料(小・中・高生:無料、一般・大学生:500円)のみで参加できます。
      整理券を発行します。
対 象:小学4年以上

各日とも9時45分に整理券(午前および午後)を配布しましたが、10時半までの間に午後の分まで満席になってしまいました。せっかく来たのに整理券がもらえず、傘ラジオを作るために次の日も来館してくれた人もいました。参加してくれた人たち本当にありがとうございました。そして、整理券がもらえなかった人たちには、心よりお詫び申し上げます。

2005夏休みサイエンススクエアでの傘ラジオ作りの様子はこちら


準備作業

今回必要な傘ラジオのキットは、一日30セット×4日間=120セットに、見本や交換の為の予備を30セットを加え150セットとなります。 この準備とイベント当日の製作補助のために、本校電子工学科の2年と3年から3名ずつの有志を募りました。

25mの電線を150セット分切り出す作業です。総延長3750mです。6人で作業するにしても一人当たり625mを処理しなければいけません。
プラスチックの円筒形ゴミ箱に巻き取っていきます。

ビニール傘も150本総て検査します。たまに壊れているのがあるからビックリ。

ビニール傘には粉が付いているので拭き取っています。サイエンススクエアではこの時間が確保できないと思われるので、予めやっておきます。

本校の宣伝のため、シールを貼っています。

ゲルマニウムダイオード、クリスタルイヤホン、目玉クリップ、セロテープ、他をチャック付きポリ袋の中に収めます。

補助具

このイベントでは、決められた時間内に製作を完了しなければいけません。傘ラジオ作りでは傘にループアンテナを巻く作業にとても時間がかかります。加えてこの作業は個人差が大きく現れるところであり、スムーズに進行させるうまい方法を考えなければいけません。
試行錯誤の末辿り着いたのがマジックテープを使う方法です。

マジックテープの両端には2穴パンチを使って、孔を空けておきます。中心部の方はゴム紐を通して、マジックテープが傘の骨に沿って引っ張られるような構造を作ります。これに電線をマジックテープの相方の方で留めていきます。
左の写真のようにマジックテープの留める位置を偶数周回、奇数周回で互いにずらすと、電線の間隔が約1cm程度となって、大変好都合です。

この補助具を使って、星形に巻くことも可能です。この場合、電線を留める箇所が少なくなるので、この作業にかかる時間を短縮できます。星形巻きは感度が落ちますが、実施場所が上野ですから、これでも大丈夫でしょう。
マジックテープは高いので>この補助具は再利用します。巻き終わったら、セロテープで仕上げ貼りをした後、補助具は取り外します

余談ですが、このマジックテープの切り出し作業も結構大変な仕事でした。特に短く切る方は沢山必要です。20セット分に対し余裕を見て2000片を用意しました。

今回から採用したもう一つの工夫がこの電線ホルダーです。と言ってもプラ製植木鉢を伏せただけの簡単なものです。
イベントで傘ラジオを作るとき一番苦労するのは電線が絡まってしまうこと。これの上に電線を置いておくと、電線が絡まりにくくなります。

傘ラジオ試験用信号発生器

サイエンススクエアでの製作会場は地下1階にあり、電波は届きません。試聴のときは外に出ますが、完成したらまず動作確認しておかないと、外に出てからあたふたしてしまいます。
このため、今回は補助学生1人につき1台の信号発生器を用意して、本番に備えることにしました。

これまでは、100円ショップのラジオを改造していましたが、今回はプリント基板加工機でプリント基板を作って細長いケースに入れることにしました。市販部品を使うために、回路を少し修正しました。

ものづくりの良い機会ですので、補助学生自身に実装・組み立てをやらせました。中身は同じですが、外観は学生達の個性が表れています。


現地での準備作業

テキストを科学博物館に直接納入してもらったので、それを袋詰めしました。

細々としたものをセッティング中。

ビニール傘が思いのほか壊れやすかったので、念のため予備の傘を購入し、すぐ取り替えられるように準備しました。


展示用のメロディカード検波ラジオを調整中。 このタイプの傘ラジオを一般の人へ公開するのはこのときが初めてでした。

サイエンススクエアでの製作指導

子供達の傘ラジオ作りの様子はこちらもご覧下さい。


記念写真 8月27日(土)には、TBSラジオ番組「土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界」の番組内コーナー「TOKYO粗雑な疑問」で、サイエンススクエアの紹介がありました。番組出演者のラッキィ池田さんが『子供たちのラストスパート、夏休み自由研究リポート』というタイトルで、各高専のブースを楽しく紹介して下さいました。


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