手軽に入手できる長い電線


傘ラジオを作るにあたって、意外と入手困難なのが25mの電線かもしれません。
クリスタルイヤホンやゲルマニュームダイオードを置いているようなパーツ屋さんでも、電線は5mくらいの袋詰めだったりします。
かといって、たわしダイオードラジオで紹介しているようなアルミホイルでやるとなると、相当なガッツが必要です。広い場所が必要ですし、途中で切れないように細い帯を作るのはかなり神経を使います。

本校電気工学科OBの岩附さんは、自宅で傘ラジオを作るにあたって、ホームセンターで売られている園芸用のアルミワイヤーが好適、との情報を寄せてくれました。
そこで、これまでは電線に関する相談を受けるとアルミワイヤーを薦めていたのです。

しかし一方で、傘ラジオを作ったはいいけどしまえなくて困っているとの意見もあり、やはり代用になる電線を探さないとまずいなと感じていました。
ビニール電線を使った傘ラジオはコンデンサとして使っているアルミホイルをはずせば、折りたたむことができます。この程度の分解なら、容易に元に戻すことができます。
いいものがありました。さすが100円ショップです。
私はアイデアの種が無いかとよく100円ショップに行くのですが、そこに「呼び出しベル」があるのは前から気になっていて、何かに使えないかと考えていました。
この写真は、「呼び出しベル」そのものではなくて、その「延長コード」なのです。長さが15mですが、ペアケーブルですから30m相当です。

使い方として2通りが考えられます。二つに裂いて使うか、ペアを崩さずそのまま使うかということです。後者は、傘に巻く回数が半減するので工作が楽になります。しかし、線間容量が増すのでコイルの自己共振周波数を下げてしまう可能性もあります。
実験してみると、確かにそのような傾向が認められ12.5m(全長25m)では、受信周波数が大きくずれてしまいます。最終的に、線の長さを10.5m(全長21m)にすると今までと同様(インダクタンス160μH)になることがわかりました。


100円ショップの延長ケーブルを使うときのポイント



100円ショップの延長コードによるアンテナコイルの巻き始めの部分です。
(平成14年頃から、傘の外側から内側に向かって巻くことを推奨しています。中心から巻くと、巻き終わりの直径が十分確保できないことがあるからです。)
ペアになっている線の片方は60cm程度残して、後で傘の中棒(シャフト)に巻いたアルミホイルに接続します。もう片方はペアの他方の線のまき終わり側と連結接続します。


ペア線同士の連結部分です。線が2倍の長さになるように正しく接続します。テスターがあれば導通をチェックしてから接続すればよいのですが、無い場合は、巻くときにペア電線がねじれない様、慎重に貼り付けて行くしかありません。


線を巻きつけて、ペア電線の連結が済んだ状態です。巻き数が見かけ上減りますので、すっきりした仕上がりになります。


傘の中棒(シャフト)にポリ袋とアルミホイルを巻きます。ここは、これまでの製作法とまったく変わりません。
傘の外周側から曳いてきた電線の被覆を4cmほど剥いて、アルミホイルに巻きつけます。


電線とアルミホイルが密着するように、目玉クリップで挟みます。


傘の中央から引き出した電線にゲルマニュームダイオードのアノード(帯の入っていないほう)を接続します。


ダイオードのアノード側を傘の下ロクロ(スライダー)と上はじき(ストッパー)の間に挟むのですが、そのとき、このように持ちます。


電線とダイオードの接続部をこのように挟み込みます。


ここまで出来ましたら、あとはクリスタルイヤホンをつなぐだけです。


クリスタルイヤホンは、このようにミノムシクリップ付のものを購入します。この写真は秋葉原の千石電商で280円で購入したものです。

少しコストアップしてしまいますが、小学生に教えることも多くなってきたこと、授業では1石増幅器に拡張するときの工数削減を勘案して、平成15年からはミノムシクリップ付イヤホンを採用しています。


クリスタルイヤホンを、ダイオードのカソード(帯が入っている側)と目玉クリップで挟んだ電線部分につないで完成です。


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