昼間限定:電池の要らないラジオ
LED検波ラジオ


LEDに光を当てると発電することはよく知られています。それによって得た電流でバイアスをかければLEDをゲルマニウムダイオードの代わりに用いることができます。

光を当てない場合

この場合はメロディカードの保護ダイオードを用いたラジオのようにバイアスをかけなければいけません。 LEDは順方向電圧が高く、1.6[V]以上はありますから、それ以上の電圧を用意しなければいけません。

回路的には、このようになります。これは確かに動作します。最初は乾電池で確かめていたのですが、手元に太陽電池があったのでそのバージョンも確かめてみました。

「しかし、待てよ。太陽の下ならLEDも電気を起こすよな?」



つまり、これでも良いのではないか?ということです。
ところがそう簡単にはうまくいきません。これを成功させるには超高輝度LEDが必要なのです。

使用したのは、秋月電子通商で購入したOSHR3131P(25000mcd, RED)です。
これを用いることで、窓の外ではゲルマニウムダイオードよりやや小さいくらいの音で見事に受信できました。
この回路はバイアス無しと書いていますがそれは単に見かけの話で、正しくはLEDで発電した電流による自己バイアスなのです。


動作原理はこちら


同じダイオードで作ったライト(毎年くぬぎだ祭の電子工作教室で出品しているタイマーライト)で照らせば夜でも聞こえます。


上のLEDラジオの原型はシンプルでよいのですが、LEDで発電した電流をクリスタルイヤホンの静電容量に流すことで、ここにバイアス電圧を発生させています。このためクリスタルイヤホンにはLEDの順方向電圧に近い値の直流電圧が生じます。曇りの日の室内窓際における実測では1.43[V]くらいでした。同調すると、包絡線検波で生じた直流電圧のため、少し押し下げられて1.37[V]くらいになります。いずれにしても1[V]を超える直流電圧が継続的に加わることになります。
短時間の実験なら良いのですが、本来クリスタルイヤホンに直流をかけるのは好ましくありません。実際、直流をかけたまま放置しておくとイヤホンがシャリシャリの音に劣化してしまいます。



そこで、イヤホンに直流がかからないようにした構成がこれです。

バイアス電圧を作り出すのは0.1[μF]のセラミックコンデンサで、交流信号はイヤホン側に通過させています。シンプルさで感動したい場合は原型の方が良いのですが、回路的にはこちらを薦めます。


気をよくして、トランジスタ検波の電源として使えないか試したのがこの回路です。
光を当てたLEDは電圧が小さい間は電流源と見なせますので、トランジスタのエミッタ抵抗は不要となります。トランジスタ検波なのになかなかシンプルです。

まず、このような状態を作ります。LEDのカソード(短いリード)とトランジスタのエミッタをつなぎ、LEDのアノード(長いリード)とトランジスタのコレクタをつないでいます。 トランジスタは2SC1815Yです。GRもOKでした。

トランジスタのベースが傘のシャフトに、コレクタがホイルペーパのアルミに接するよう配置します。

洗濯ばさみで留めます。この写真の傘ラジオはアルミテープを巻いたものなので、それもつないでいます。

コレクタ・エミッタ間にイヤホンをつないで完成です。


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